経営管理ビザの事業計画書を、5W2Hの7つの問いで考えるシリーズ。今回は6つ目の問い、How(どのように)です。どうやって売るのか、どうやってお客さまに知ってもらうのか、そして売るものをどうやって用意するのか。事業の動かし方を示す問いです。
Howは、主に「具体性」と「実現可能性」にかかわる問いです
売り方は主に「具体性」の観点に、必要な許認可は主に「実現可能性」の観点にかかわります。どう売るのかがはっきりしているか。そして、事業を始めるのに必要な許認可の見通しが立っているか、です。
売り方は、「届け方」と「知ってもらい方」の2つ
売り方には、商品やサービスを届ける方法と、お客さまに知ってもらう方法の2つがあります。どちらか片方だけでは、お客さまは来てくれません。
- 届ける方法——どこで買ってもらうのか(販売チャネル。次の節で取り上げます)と、配送や訪問など、どうお客さまの手元に届けるのか
- 知ってもらう方法——紹介、案内状、展示会、SNSでの情報発信など
知ってもらう方法は、立派な広告である必要はありません。たとえば「開業前の2か月で、経営者が母国の取引先20社に案内状を送り、うち10社を訪ねる」のように、誰が、いつ、何をするのかが書かれていれば、実行できる計画として読めます。
販売チャネルは、「どこで買ってもらうのか」を具体的に
届ける方法のなかでも、お客さまがどこで買うのか(販売チャネル)は、具体的に書いておきます。自社の店舗、自社のウェブサイト、ネット通販のモール、取引先の店頭に置いてもらう、代理店を通す——同じ商品でも、売る場によって、売れる量も、かかる費用も、始められる時期も変わります。
足りない書き方——「店舗とインターネットで販売します。」
伝わる書き方——「自転車の修理は、店舗だけで受け付けます。中古の自転車は店頭での販売を中心にし、売上の大半は店頭、ネット通販のモールは1〜2割を見込みます。中古の自転車を売るのに必要な古物商の許可を取ったうえで、モールには開業から半年後に出品を始め、販売の手数料がかかる分は値段に見込んでおきます。」
販売チャネルを書くときは、次の3つが見えるようにしておくと、ほかの問いとつながります。
- チャネルごとの売上の見込み——店舗でどれだけ、通販でどれだけ(How much)
- チャネルごとにかかる費用や条件——モールの手数料、取引先の店頭に置いてもらうときの条件、代理店への支払い(How much)
- チャネルごとに始められる時期——出店の審査や、取引先との契約にかかる時間(When)
用意の仕方は、決まっていることと、これから決めることを分けて
商品を仕入れるのか、自分たちで作るのか、人がサービスを提供するのか。売るものを用意する方法も、短く添えておきます。
開業前の計画ですから、すべてが決まっている必要はありません。大切なのは、すでに決まっていることと、これから決めることを分けて書くことです。「仕入先とは条件を話し合い済み」「外注先は候補を2社に絞った段階」のように、いまどの段階にあるのかを書いておくと、計画の進み具合が分かる書き方になります。
必要な許認可も、「どのように」の一部
事業によっては、始める前に許認可が必要になります。出入国在留管理庁の案内には、事業に必要な許認可の取得状況などを示す資料の提出が求められる、と示されています。ただし、在留の許可を受けてからでないと許認可が取れないなど、正当な理由がある場合は、次の更新のときに提出すればよいとされています。
計画書には、どんな許認可が必要で、いつごろ取る予定なのかを書いておきます。
まずは、3つの「どのように」を1行ずつ書いてみる
どう届けるか、どう知ってもらうか、どう用意するか。まずは、それぞれ1行ずつで書いてみてください。そのうえで、次の点を見直してみます。
- 販売チャネルごとに、売上の見込みとかかる費用が分けて考えられているか
- 知ってもらう方法に、誰が、いつ、何をするのかが書かれているか
- 用意の仕方で、決まっていることと、これから決めることが分かれているか
- 必要な許認可と、取る時期が書かれているか
次回は、7つ目の問い「How much(いくら)」の前半、売上の見込みを見ていきます。
本記事は一般的な考え方の紹介であり、個別の審査の結果を保証するものではありません。
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