Positive Change CONSULTING お申し込み

AICHI

愛知県で産業廃棄物の経理的基礎に
経営診断書が必要になるのは、どんなときか

愛知県の産業廃棄物処理業(収集運搬業・処分業)の許可では、決算の状態によって「経営診断書」の提出が必要になります。必要になるのはどういう場合か、御社が当てはまるかどうかを、愛知県の一次情報にもとづいて中小企業診断士が整理しました。

WHEN

御社の決算書は、どれに当たりますか
法人・営業実績3年以上/全12区分

直近3期分の決算書をご用意ください(3年平均や前期との比較を使うため、直前期だけでは判定できません)。表に当てはめるのは、直前期の自己資本比率と、「経常利益+減価償却費」の3年平均・直前期の3つです(+=0以上/−=0未満)。
積替え保管を行う収集運搬業・処分業の方は、表のいちばん右の列をご覧ください。必要になる範囲が広くなります(オレンジ色のセルがある4つの行が、積替え保管の有無で結論が変わる区分です)。

「純資産」=貸借対照表の純資産合計。資本金だけでなく、利益剰余金や評価・換算差額等を加えたもので見ます。これがマイナスの状態を、県は「債務超過」「自己資本比率0%未満」と表記しています。

「経常利益+減価償却費」=県が見るのは経常利益そのものではなく、減価償却費を足し戻した金額です(経常損失が出ていてもプラスになることがあります)。対象は「損益計算書上の」減価償却費です。減価償却費を製造原価に含めて計上している場合に、その分をどこまで足せるかは県の資料に明記がありません。「3年平均」は、直前3期それぞれの額を出して平均した値です(3期の合計ではありません)。
県の資料での表記は「経常利益金額等」(定義=「損益計算書上の経常利益の金額に当該損益計算書上の減価償却費の額を加えて得た額」)。読み違えを避けるため、このページでは「経常利益+減価償却費」と書きます。

営業実績が3年に満たない方は、この表に関係なく、法人・個人とも経営診断書が必要です。財務の状態は問いません。今後5年間の収支計画にもとづいて作成します。

表に出てくる4つの区分の意味

原則基礎認定経営診断書の提出は求められません。ただし「原則」で、県が事情を勘案して求めることはあります(裁量条項)。
必要時診断書セルに書いた条件に当たったときに必要になります。当たらなければ求められません。
診断書経営診断書が必要です。基準に当たったかどうかを問いません。
不許可新規・変更の申請では経理的基礎を有しないと判断されます。更新申請のみ、経営診断書での立証が認められます(※の条件付き)。この区分に当たりそうな場合は、申請の前に所管の東三河総局または県民事務所へご相談ください。

※ これらの区分名は愛知県の資料で使われているものですが、県の資料に定義は書かれていません。この説明は審査基準の条文構造(「基準を満たす場合」と「経営診断書を求める場合」の書き分け)に照らした整理です。

純資産/
自己資本比率
(直前期)
経常利益
+減価償却費
直前3年の平均
経常利益
+減価償却費
直前期
収集運搬業
(積替え保管なし)
積替え保管あり収運
/処分業
自己資本比率
10%以上
++原則基礎認定
+−
−+
−−必要時診断書
伸率※1の条件に当たるとき
自己資本比率
0%以上10%未満
純資産は0以上
++原則基礎認定原則基礎認定
+−診断書
−+
−−診断書
自己資本比率
0%未満
=純資産がマイナス
(債務超過)
++必要時診断書
自己資本比率▲30%未満※2
または流動比率50%未満※3のとき
診断書
+−必要時診断書
伸率※1/自己資本比率▲30%未満※2
/流動比率50%未満※3 のいずれかに当たるとき
−+診断書
−−新規・変更は不許可/更新は診断書※

※1 伸率の条件=次のどちらかに当たるとき。
 ①「▲200%未満」=「経常利益+減価償却費」が直前々期は0以上・直前期は0未満で、黒字だった額を上回る赤字に転落した場合(例:直前々期 +100万円 → 直前期 ▲150万円)
 ②「100%超」=直前々期・直前期ともに0未満で、赤字が直前々期の2倍を超えて膨らんだ場合(例:▲100万円 → ▲250万円)
 計算式=(直前期の「経常利益+減価償却費」 − 直前々期の同額)÷ 直前々期の同額 × 100
※2 自己資本比率▲30%未満=純資産合計 ÷ 総資産 × 100 が マイナス30%より下(さらにマイナス側)。
※3 流動比率50%未満=流動資産 ÷ 流動負債 × 100 が 50%より下。
・「診断書※」(更新申請)は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた「当面の間」の特例で、経営の悪化がコロナ拡大の直接的又は間接的な影響によることおよび今後5年以内に健全な経営の軌道に乗ることの証明が必要とされています。
・「原則基礎認定」でも、必ず不要とは限りません。提出書類一覧は「提出が必須の場合」を挙げたうえで、続けて「(1)〔=提出が必須の場合〕に該当しない場合であっても、赤字が大きい、自己資本比率が低い等の事情を勘案する必要がある場合において、提出を要することがある」と明記しています。
・不許可となった場合でも、申請手数料や診断書は申請者の負担とされています。
・事業年度は6か月以上あるものを1期としてみなす、と定められています。
・許可申請は電子申請・郵送での受付を行っておらず、所管の東三河総局または県民事務所での申請となります(一部の届出は電子申請システムが使えます)。
・要否そのものは県に確認できます。「診断書の作成の要否については、あらかじめ所管の東三河総局又は県民事務所にお尋ねください」と案内されています。

積替え保管を行う収集運搬業・処分業は、必要になる範囲が広くなります

結論は表のいちばん右の列をご覧ください。積替え保管なしの列と比べて、経営診断書が必要になる区分が広くなっています。

⚠️ 許可を出すのが県ではない場合があります。収集運搬業は原則として愛知県のみへの申請ですが、①一つの政令市内のみで積み下ろしをする場合、②政令市内で積替え・保管を伴う場合は、当該政令市(名古屋市・豊橋市・岡崎市・一宮市・豊田市)への申請が必要とされています。また③政令市で処分業を行う場合は、それぞれの市役所への申請です。これらに当たる場合、本ページの愛知県の基準はそのまま当たりません。

WHY UNCLEAR

条件は審査基準に書かれていますが、読み取りにくい形です

「自社は要るのか要らないのか」が分かりにくいのには、2つ理由があります。

1. 条文が入れ子で、条項をまたいで参照し合っています

積替え保管なしの審査基準(第1の2)には、条件が(1)〜(5)として明記されています。ただし(3)の中にア〜エの枝があり、(4)は「前号のウ又はエ」、(5)は「第三号のア又はイ」と、別の号を参照する形で書かれています。5つの条件を並べて自社と突き合わせるには、条文を行き来しながら組み立て直す必要があります。

2. 表にまとまった資料は、別の場所にあります

同じ内容を一覧表にした「経理的基礎に関する審査の考え方」という資料が別にあり、本ページの判定表はこれに沿っています。ただし審査基準そのものはこの資料を参照しておらず、県の申請ページに置かれた「※経理的基礎に関する審査の考え方については、こちらの資料もご参照ください。」という1行から辿るしかありません。
なお「原則基礎認定」「必要時診断書」という区分名は、審査基準ではなくこの一覧資料の側で使われている呼び方です。

OTHER CASES

個人事業者と、営業実績3年未満の場合

区分 資産と負債
(直前期)
所得税の納税
(直前3年)
収集運搬業
(積替え保管なし)
積替え保管あり収運
/処分業
個人
(営業実績
3年以上)
資産 ≧ 負債毎年、納税している原則基礎認定原則基礎認定
納税していない年がある診断書
資産 < 負債納税している年がある診断書
直前3年とも納税していない新規・変更は不許可/更新は診断書※
法人・個人
(営業実績
3年未満)
財務の状態は問わない経営診断書が必要

・「納税している」とは納税すべき額が1円以上発生し、かつそれを完納していることを指します(納税すべき額が0円の場合は「納税していない」に当たります)。
・「診断書※」(更新申請)は、経営の悪化が新型コロナウイルス感染拡大の直接的又は間接的な影響によること、および今後5年以内に健全な経営の軌道に乗ることの証明が必要とされています。

営業実績が3年に満たない場合に必要とされる根拠は、審査基準の「今後5年間の収支計画書に基づく中小企業診断士又は公認会計士の経営診断書を申請書に添付し、今後5年以内に健全な経営の軌道に乗ることが証明できること」という定めです。事業年度は6か月以上あるものを1期として数えます。

⚠️ 個人事業者で確定申告をしていない場合も、表とは別に経営診断書が求められます。「被雇用者が転業により申請する場合で、給与所得のみ等の理由で確定申告を行っていないときは、直前3年間の納税証明書、源泉徴収票の写し及び中小企業診断士又は公認会計士が作成した経営診断書」、「それ以外の場合で確定申告をしていない場合は、理由書、直前3年間の納税証明書及び…経営診断書」を添付するよう案内されています。新規法人で3年分の納税証明ができない場合も、診断書が要る点は同じです(この場合の添付は理由書と経営診断書)。

WHO CAN WRITE

愛知県の産業廃棄物許可で、経営診断書を作成できる資格

作成できるのは、中小企業診断士または公認会計士です。愛知県の審査基準は「中小企業診断士または公認会計士が作成した経営診断書をいう」と定義しています(収集運搬業の積替え保管なし・あり、処分業のいずれも同じ定義です)。作成者はこの2つの資格に限定されており、税理士は挙げられていません。

診断書は「今後5年間の事業の収支計画を踏まえて作成するようにしてください」とされています。なお愛知県は「診断書の内容だけで経理的基礎の有無を判断するものではない」とも明記しています。

要否そのものは、県に確認できます。「診断書の作成の要否については、あらかじめ所管の東三河総局又は県民事務所にお尋ねください」と案内されています。

出典

愛知県HP(公式の一次情報)

愛知県「申請・届出様式(廃棄物関係)」

手引等は改定されることがあります。最新の内容は行政のホームページ等でご確認ください。許可の可否について行政の最終判断を保証するものではありません。

FAQ

愛知県についてよくあるご質問

経営診断書を出せば、許可されますか?

提出したから必ず許可される、というものではありません。愛知県は「診断書の内容だけで経理的基礎の有無を判断するものではない」と明記しています。また「不許可となった場合でも、申請手数料や診断書は申請者の負担である」とも書かれています。だからこそ、5年以内に健全な経営の軌道に乗ることを、数字で無理なく示せる計画に組み立てることが要になります。

債務超過ですが、経常利益は黒字です。診断書は要りますか?

まず、判定に使うのは経常利益そのものではなく「経常利益+減価償却費」です。減価償却費を足し戻すと、「経常利益+減価償却費」は経常利益が赤字でもプラスになることがあります。
そのうえで、直前3年平均も黒字かどうかで変わります。
・3年平均も直前期も黒字 → 自己資本比率がマイナス30%未満または流動比率が50%未満のときに必要
・3年平均は赤字だが直前期は黒字 → 基準に関係なく必要(審査基準 第1の2(2))
・3年平均も直前期も赤字 → 新規・変更の申請は「不許可」。更新申請のみ、コロナ影響等の証明を付けて経営診断書で立証する道があります
なお積替え保管あり・処分業では、純資産がマイナスなら診断書が必要です(3年平均も直前期も赤字の場合は同じく新規・変更が不許可)。

顧問税理士に作成を頼めますか?

いいえ。愛知県の審査基準は作成者を中小企業診断士または公認会計士に限定しており、税理士は挙げられていません。顧問税理士の先生に財務のご相談はできますが、この書面はご依頼いただけません。

営業実績が2年です。黒字ですが必要ですか?

必要です。営業実績が3年に満たない法人・個人は、財務状態を問わず経営診断書の添付が求められます。今後5年間の収支計画にもとづいて作成します。

愛知県以外にも申請予定があります。まとめて相談できますか?

はい。自治体ごとに必要な書類・様式・資格要件が異なります。ご提出先に合わせて作成しますので、まとめてご相談ください。全国オンラインで対応しています。

愛知県に提出する経営診断書の作成を承っています

今後5年間の収支計画を組み立て、その計画にもとづいて経営診断書を作成します。
料金・納期は産業廃棄物許可 経営診断のページに記載しています。

お問い合わせ ›

産業廃棄物収集運搬業 許可の経営診断書(経理的基礎)のご案内へ ›