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「売上が落ちたから」の、その先へ——不振の”根っこ”を掘り当てる

「売上が落ちたから、赤字なんだ」「この不況だから、仕方がない」——そう考えて、そこで止まってしまうことはないでしょうか。もちろん、それは事実の一面です。けれど、その一段下には、たいてい”本当の原因”が隠れています。今日は、不振の根っこを掘り当てる、その考え方の話をします。

表面の現象に手を打っても、根っこが残れば繰り返す

「売上が落ちた」「利益が減った」——これらは、いわば熱や咳のような”症状”です。症状だけを抑えても、もとにある不調が残っていれば、また同じことが起こります。経営も同じで、表面の数字に慌てて手を打つ前に、「なぜ、そうなったのか」を一段掘り下げることが、遠回りのようでいて、いちばんの近道になります。

「なぜ」を、もう一度だけ繰り返してみる

掘り下げ方は、難しくありません。表面の現象に対して、「なぜ?」をもう一度、繰り返してみるだけです。いくつか、例を挙げます。

たとえば、「大口の得意先が倒産して、売上が落ちた」。ここで止まれば、原因は”得意先の倒産”です。でも、もう一歩——「なぜ、その一社に、これほど頼っていたのか」。そう問い直すと、見えてくるのは特定の取引先への依存や、与信管理の甘さかもしれません。ここまで来て初めて、次に打つ手が見えてきます。

あるいは、「昔から、どうも利益率が低い」。なぜでしょうか。製品の競争力が落ちているのか、価格の交渉が弱いのか、そもそも一つひとつの仕事にいくらかかっているか(原価)を、掴めていないのか。表面の「利益率が低い」の下にも、直せる原因が眠っています。

さらに、「少し売上が下がっただけで、すぐ赤字になってしまう」。なぜ、そんなに脆いのでしょうか。掘っていくと、固定費が重く、損益分岐点が高い——つまり、売上がある水準を割ると、とたんに赤字へ沈む。そういう”コスト構造”になっていることがあります。これは、どこか一つの費目のムダというより、会社の”体質”そのものの問題です。だとすれば、打つ手も見えてきます。家賃やリース、外注費、保険料といった固定費を一段見直し、損益分岐点そのものを下げること。売上が多少揺れても黒字を保てる、しなやかな体質へと変えていくことです。

「仕方ない」で片付けると、変えられる点まで見えなくなる

不況や災害など、自社ではどうにもならないことは、確かにあります。ただ、「全部そのせい」で片付けてしまうと、本当は自分たちで変えられたはずの点まで、見えなくなってしまう。責めるためではありません。次に同じ苦しみを繰り返さないために、「ここは、自分たちに手が打てたかもしれない」という一点を、静かに探しておく。それが、根っこにたどり着く姿勢です。

まとめ──今日できる一歩

まずは、いちばん気になっている問題点を一つ選んで、「なぜ?」を三回、繰り返してみてください。一回目より二回目、二回目より三回目のほうが、本当の原因に近づいていきます。根っこが見えれば、打つべき手は、驚くほどはっきりします。表面をなぞって疲れるより、一段深く掘る。その一歩から、立て直しは始まります。

「どこを掘れば根っこにたどり着くのか」——一人では見えにくいときは、業務改善・経営改善のご相談として、ご一緒に探せます。