Positive Change CONSULTING

忙しすぎる社長へ②──“作業”を手放し、“判断”の時間を取り戻す

前回(前編)で、自分の時間を1週間記録してみる話をしました。今回は、その記録を使って、社長にしかできない時間を取り戻していきます。やることは、記録を「作業」と「判断」に分け、そこから“作業”を少しずつ手放していくことです。

記録を「判断」と「作業」に分ける

記録した項目を、まず次の2つに色分けしてみてください。

多くの社長は、ここで「こんなに作業をしていたのか」と気づきます。一日の大半が「作業」で埋まっているからです。作業は目の前にあって、やれば片付くので達成感もある。だから抱え込みやすい。けれど、作業に時間を使うほど、会社の先を決める「判断」の時間は削られていきます。逆に言えば、作業を手放した分だけ、判断の時間は戻ってきます。

作業は「やめる→任せる→ルール化」で手放す

「作業」に印をつけたら、次の順番で手放していきます。大事なのは、一度きりで終わらせず、少しずつ繰り返すことです。

この「やめる→任せる→ルール化→また任せる」を一周まわすたびに、社長の手元の“作業”は少しずつ減っていきます。一度に全部やらなくて大丈夫。回すほど、軽くなります。

「任せる人がいない」と感じるなら、まず①の「やめる」から。任せる相手を探す前に、渡す仕事の量そのものを減らすほうが早い、ということは少なくありません。まずは一周、小さく回してみてください。

生まれた時間を“経営の数字を見る”に回す

効率化のゴールは「楽になること」ではありません。空いた時間を、会社の未来を決める仕事に振り向けることです。

毎日30分、あるいは週に2時間でもいい。資金繰りの見通しと、赤字が出ている業務を眺める時間をつくる。それだけで、打ち手の精度は変わってきます。「効率化で時間を生み、その時間を付加価値に変える」——私たちが大切にしているのは、まさにこの流れです。忙しさを減らすこと自体が目的ではなく、その先に“考える経営”を取り戻すことが目的です。

まずは、ひとつ手放すことから

記録の中で「作業」に印をつけた仕事から、ひとつだけ選んでください。それを「やめる/任せる/ルール化」のどれにするか決める。まずは一つ手放せれば、そこから時間は生まれ始めます。あとは同じことを、少しずつ繰り返していくだけです。

「どこから手をつければいいか分からない」と感じたら、業務の棚卸しからご相談ください。第三者の目で、社長が抱え込んでいる仕事を一緒に仕分けします。

忙しすぎる社長へ①──まず“自分の時間”を1週間記録する

「社長にしかできない仕事」に、社長の時間は使えていますか。

朝から現場に入り、見積もりを確認し、クレームの電話を受け、銀行に提出する試算表に目を通す。気づけば一日が終わり、肝心の「これから会社をどうするか」を考える時間が残っていない——多くの中小企業の社長が、この状態に陥っています。

でも、そこから抜け出す一歩目は、いきなり「効率化」ではありません。まず、自分の時間を記録してみることです。難しいことは何もありません。むしろ、いちばん気軽にできる第一歩です。

「忙しい」は感覚、まず“事実”にする

「とにかく忙しい」——その感覚は本物です。ただ、感覚のままでは手の打ちようがありません。何にどれだけ時間を使っているかが分からなければ、どこを変えればいいかも決められないからです。

だからこそ、まず記録します。忙しさの中身を、感覚から事実に変える。ここが、時間を取り戻す出発点です。

記録のやり方──難しくしない

完璧な記録は要りません。続かなければ意味がないので、ゆるくで大丈夫です。

「9:00-10:00 見積もり確認」「10:00-10:30 電話対応」——この程度で十分です。正確さより、続けて全体像をつかむことが目的です。

記録すると、何が見えるか

一週間分を眺めると、たいてい次のようなことに気づきます。

この気づきそのものが、大きな一歩です。「忙しい」の正体が見えれば、次に何を減らせばいいかが、はっきりしてきます。

まずは今日1日から

まずは今日1日、自分の時間を記録してみてください。30分ごとに、何をしていたかをメモするだけです。たった1日でも、「あれ、こんなに使っていたのか」という発見がきっとあります。

次回(後編)では、この記録を「作業」と「判断」に分けて、社長にしかできない時間を取り戻していく方法をお話しします。まずは一歩、記録から始めてみましょう。