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「経営に問題ありません」では通らない――評価書に書くべき4つの記載事項

評価書の書き方に、今のところ厳密な決まりはありません。数行程度の簡潔な書面でも、これまでは特に問題になってきませんでした。今日は、なぜそれで良かったのか、そして2027年4月からその前提がどう変わっていくのか、という話をします。

今は「記載内容」が明確に定められていない

技能実習・特定技能の運用要領は、実は評価書の中身をほとんど規定していません。求められているのは「第三者が改善の見通しについて評価を行った書面」という、機能面の要件だけです。様式にも記載事項にも、細かな定めがないのです。そのため、数行程度の簡潔な書面であっても、これまでは通ってきた実態があります。評価書を非常に安価で提供している業者が存在するのも、この自由度の高さが背景の一つと考えられます。

だが、育成就労はここが変わる

2027年4月に始まる育成就労制度の運用要領は、評価書に記載すべき事項を、初めて名指しで明記しました。①債務超過に至った理由 ②改善に向けた具体的かつ効果的な取組み内容 ③それを踏まえた債務超過の解消見込み時期 ④評価書の作成日及び評価者の職名並びに氏名。しかも「評価を行った書面」という表現が「詳細に評価を行った書面」に変わり、水準が一段引き上げられています。

実際、運用要領は「経営に問題はありません。」「経営に問題があるため債務超過となりました。来年までには解消します。」「新たに育成就労外国人を雇用することで経営改善が見込まれます。」といった記載を名指しし、「債務超過の理由や債務解消への具体的な取組みの内容が記載されていない」として不十分であり、認められませんとしています。

作成の手間が増える分、価格も上がっていく

記載事項がここまで細かく定められた以上、評価書を作成する側の作業量も増えます。債務超過に至った原因を分析し、改善策を実績とともに積み上げ、解消時期の根拠を組み立てる——これは、これまでの数行の書面とは比べものにならない工数です。2027年4月以降、評価書の相場全体が上がっていくことは十分に考えられます。

書類が厳しくなったのではありません。そこで働く人を守るための基準が、引き上げられたということです。

それでも厳格化されるのには理由がある

債務超過の会社がそのまま経営破綻すれば、そこで働く技能実習生や特定技能外国人は、仕事の場を失うことになります。評価書の水準が引き上げられるのは、書類の体裁を厳しくするためではなく、この会社が本当に立て直せるのかを、より確かな根拠とともに見極めるためだと考えられます。手間が増え、費用が上がるとしても、それは受け入れる外国人材の生活を守るための変化だと捉えると、納得しやすいかもしれません。

「これからやります」より、「すでにこう動いています」

改善に向けた取組みを書くときも、書き方一つで説得力は大きく変わります。「今後は経費を見直します」という未来の約束だけで終わる書き方より、「すでに一部の外注費を見直し、これが利益率の改善につながっており、今後も継続する」というように、すでに着手し、実際に効果が出ている取組みを実績として示す書き方の方が、はるかに説得力があります。

とはいえ、「実績として示せる取組みが、まだ手元にない」という会社も少なくないと思います。その場合でも、大がかりな改革である必要はありません。取引条件を見直した、外注に出していた工程を内製に戻した、使っていない設備の維持費を止めた——日々の業務のなかで実際に手を動かした事実であれば、それは十分に書ける取組みです。大切なのは規模ではなく、いつ着手し、そこから数字がどう動いたかを説明できることです。

継続して債務超過の場合はどうなるか

もう一点、見落とせない記載があります。過去に評価書を提出し、経営努力を尽くしているにもかかわらず、継続して債務超過が確認され、回復が見込まれない場合には、育成就労計画そのものが認定されないことがあり得ると運用要領は明記しています。評価書は、毎年同じように書けば通るというものではなく、実際に改善が進んでいるかどうかが問われ続けるということです。

裏を返せば、評価書は毎年の提出書類であると同時に、自社の改善が実際に進んでいるかを、外から確かめてもらう機会でもあります。前回書いた見通しに対して、今年はどこまで進んだのか——それを自分の言葉で説明できる状態にしておくことが、結果として次の認定にもつながります。

まとめ──今日できる一歩

評価書が必要になってから動き出すのではなく、改善に向けた取組みに、今から着手してみてください。実際に動き始めた実績があるほど、評価書に書ける内容は厚みを増します。水準が上がっていく前だからこそ、早く始めた分だけ、次の評価書に積み上げられるものがあります。

本記事は一般的な考え方の紹介であり、個別の審査の結果を保証するものではありません。

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