経営管理ビザの事業計画書を、5W2Hの7つの問いで考えるシリーズ。今回は4つ目の問い、Where(どこで)です。事業を行う場所(事業所)はどこか。そして、どの地域で売るのか。2つの「どこ」があります。
Whereは、主に「具体性」と「実現可能性」にかかわる問いです
売る地域は主に「具体性」の観点に、事業所は主に「実現可能性」の観点にかかわります。どこで売るのかがはっきりしているか。そして、事業を行う場所が確保できているか、です。
事業所は、確保できているかどうかがはっきり分かるように
出入国在留管理庁の案内には、事業所について「自宅を事業所と兼ねることは、原則として認められません」と示されています。事業所の場所と、借りる契約がどこまで進んでいるのかを、計画書のなかでもはっきりさせておきます。
あわせて、その場所を選んだ理由も1〜2行で添えておくと、ほかの問いの答えとつながります。「お客さまになる会社が集まっている地域だから」「仕入先の工場に近いから」のように、ほかの問いの答えとつながる理由であれば十分です。
事業所は、事業の中身に合っているか
事業所は、ただ確保できていればよいわけではありません。その事業を行うのに合った場所かも、あわせて書いておきます。
- 広さと使い方——店舗なのか、事務所なのか、作業場や倉庫なのか。予定している人数や在庫が、その広さで無理なく収まるか
- 契約の中身——賃貸の契約で、使い道が事業用になっているか。借りる期間は計画の期間と合っているか
「事務所を借ります」の一行ではなく、「駅から歩いて5分の2階の事務所(約30平方メートル)を、事業用として2年の賃貸契約で借りる。受付と打合せの場所を兼ね、在庫は置かない」のように書くと、事業の中身と場所が合っていることが伝わりやすくなります。
売る地域は、「どこまで」を決めておく
売る地域は、事業によって大きく変わります。店を構える事業なら、お客さまが来てくれる範囲。訪問するサービスなら、担当者が回れる範囲。インターネットで売る事業や、海外へ卸す事業なら、届けられる国や地域です。
足りない書き方——「事業所はこれから探し、全国のお客さまに対応します。」
伝わる書き方——「事業所は、お客さまになる会社が集まる地域で候補の部屋を決め、契約の条件を話し合っています。開業1年目は、事業所から車で1時間以内の地域に絞って対応し、2年目から隣の県へ広げます。この範囲にある、お客さまになり得る会社の数は、市の公表資料で確かめています。」
地域を絞ることは、事業を小さくすることではありません。いまの人手とお金で、実際に届けられる範囲を示すことです。
範囲を決めたら、その地域に、お客さまになり得る人や会社がどれくらいいるかも、分かる範囲で添えておきます。地域の人口や世帯の数、同じ業種の会社の数などは、市区町村や国の公表している資料で確かめられます。ここで分かった数は、Who(誰に)や、売上の見込み(How much)の根拠にもつながります。
場所の話は、ほかの問いとつながっている
売る地域が決まると、お客さまの数(Who)や、売り方(How)、移動や配送にかかる費用(How much)も決まってきます。反対に、場所の話がほかの問いの答えと食い違っていると、計画全体のつながりが見えにくくなります。たとえば、全国に売ると書いたのに、担当者が1人しかいない、といった食い違いです。
まずは、2つの「どこ」を1行ずつ書いてみる
事業所はどこか。どの地域で売るのか。まずは、それぞれ1行ずつで書いてみてください。そのうえで、次の点を見直してみます。
- 事業所の場所と、確保の進み具合が書かれているか
- その場所を選んだ理由が、ほかの問いの答えとつながっているか
- 事業所の広さや使い方、契約の中身が、事業に合っているか
- 売る地域が、いまの人手とお金で届けられる範囲になっているか
- その地域に、お客さまになり得る人や会社がどれくらいいるかを添えているか
次回は、5つ目の問い「When(いつ)」を見ていきます。
本記事は一般的な考え方の紹介であり、個別の審査の結果を保証するものではありません。
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