経営管理ビザの事業計画書を、5W2Hの7つの問いで考えるシリーズ。今回は3つ目の問い、Whoです。この問いには、2つの意味があります。お客さまは誰になるのか。そして、事業を担うのは誰がなのか、です。
Whoは、主に「具体性」と「実現可能性」にかかわる問いです
お客さま(誰に)は主に「具体性」の観点に、事業を担う人(誰が)は主に「実現可能性」の観点にかかわります。お客さまがはっきりしているか。そして、その計画を実行できる人がそろっているか、です。
「誰に」は、実際に買ってくれる人や会社が思い浮かぶところまで
「幅広いお客さま」と書きたくなるところですが、それでは誰に向けた事業なのかが伝わりません。
足りない書き方——「地域の幅広いお客さまにご利用いただきます。」
伝わる書き方——「事業所のある区と隣の区に住む、共働きの子育て世帯。平日の夕方の掃除と夕食の支度を求める家庭。」
お客さまを絞ることは、ほかのお客さまを断ることではありません。計画の中心に置くお客さまを決めるということです。中心が決まると、値段の付け方や売り方が、そのお客さまに合ったものになります。
「誰が」は、まず基準を押さえる
事業を担う人については、出入国在留管理庁の案内に、次のような基準が示されています。
- 1人以上の常勤の職員を雇うこと(対象は、日本人、特別永住者、永住者などの在留資格を持つ人に限られ、就労や留学などの在留資格で在留する人は数えません)
- 申請する本人か常勤の職員のどちらかが、相当程度の日本語能力(日本語能力試験N2以上のほか、日本の大学を卒業している場合など、いくつかの確かめ方が示されています)を持っていること(この日本語能力の基準では、就労の在留資格で働く常勤の職員も含まれます)
- 申請する本人が、経営管理や事業に関係する分野の修士以上の学位(博士・専門職の学位を含み、外国の学位も含む)を持っているか、事業の経営や管理について3年以上の職歴(在留資格「特定活動」で起業の準備をしていた期間も含みます)を持っていること
これらは、出入国在留管理庁が、事業計画書とは別に確かめる基準です。ただ、計画書に書いた人数や担当が、基準の側の資料と食い違っていると、計画そのものが信頼されにくくなります。
体制は、「誰が、何を担当するか」の役割の分担で書く
経営者自身の経験やスキルは、Why(なぜあなたなのか)で書きました。Whoの「誰が」で書くのは、事業を回す体制です。仕入、営業、受注、発送、経理——事業に必要な仕事を、誰が担当するのかを並べます。
足りない書き方——「経営者を中心に、少人数で運営します。」
伝わる書き方——「経営者が営業と契約の窓口を、常勤の従業員(家事代行の仕事の経験3年)がサービスの提供とスタッフの予定の調整を担当する。経理と給与の計算は、会計事務所に委託する。」
担当を並べてみると、誰も担当していない仕事が見つかることがあります。その仕事は、外部に委託するのか、いつごろ人を採用するのかまで書いておくと、計画をこの体制なら実行できるという形で読めるようになります。
まずは、「誰に」と「誰が」を1行ずつ書いてみる
お客さまは誰か。事業を担うのは誰か。まずは、それぞれ1行ずつで書いてみてください。そのうえで、次の点を見直してみます。
- お客さまが、実際に思い浮かぶ人や会社になっているか
- 事業に必要な仕事ごとに、担当する人が決まっているか
- 誰も担当していない仕事を、委託や採用でどう補うかが書かれているか
- 計画書の人数や担当が、基準の側の資料と食い違っていないか
次回は、4つ目の問い「Where(どこで)」を見ていきます。
本記事は一般的な考え方の紹介であり、個別の審査の結果を保証するものではありません。
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