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産廃収集運搬 2026年10月1日

経営診断書とは何を書く書類か──様式が違っても、聞かれているのは5つ

産業廃棄物収集運搬業の許可の窓口で、「経理的基礎を確認できる書類を出してください」と言われ、聞き慣れない言葉に戸惑った方もいらっしゃるのではないでしょうか。決算書は用意した、なのに、もう一枚。何を書けばいいのか、自分で書けるものなのか——今日は、この「経営診断書」と呼ばれる書類の正体を、実際の様式を読み比べながらお伝えします。

「経営診断書」という名前の書類は、実は一つではない

まず知っておいていただきたいのは、この書類には全国共通の名前がない、ということです。「経営診断書」「財務診断書」「診断書」「経理的基礎を有することの説明書」——呼び方は自治体ごとに違いますし、様式がきちんと決まっている自治体もあれば、自由に記述してよい自治体もあります。

一言でいえば、経営診断書とは——財務の状態を第三者が診て、立て直る見込みがあることを示す書面です。名前も様式もばらばらなのに、この一言だけは、どの自治体にもあてはまります。

書式指定のある県の内容から読み取れる共通の要素は5つ

では実際に、何を書くよう求められているのでしょうか。書式が定められている都道府県の様式を並べて読み比べてみると、聞かれていることが重なってくるのに気づきます。

たとえば埼玉県の「財務診断書」は、会社概要、直近3期の財務諸表に基づく財務診断、債務超過に至った原因、今後5年間の計画とその改善策・実現可能性、作成者の資格証明——という記載事項です。一方、東京都の「経理的基礎を有することの説明書」はA4一枚のごく短い様式ですが、そこにも、いまの債務超過額、そこに至った理由、解消策と解消できる会計年度、記載者の氏名——が並びます。分量はまるで違うのに、聞かれている中身の骨格は同じです。

並べて浮かび上がってきたのは、次の5つです。

様式があってもなくても、行政が知りたいことは同じです。

決算書から写せるのは①②まで。③と④は写せない

①(どんな会社か)と②(いまの状態)は、決算書と会社の概要があれば、事実として書き写せます。ところが③(なぜそうなったか)と④(どう直し、いつ直るか)は、決算書のどこにも書かれていません。数字は結果であって、理由そのものではないからです。

数字が揃っていても、この2つだけは書けないことがある——ここが、この書類のいちばんの難所です。

この5つは、事業再生でも必ず問われること

どんな会社で、いまどういう状態で、なぜそうなり、どう直し、いつ直るのか。この5つは、事業再生の現場でも必ず問われることです。長年、事業再生に携わってきた弊社にとっては、まさに専門の分野です。だから経営診断書は、「書類を埋める」仕事ではなく、「会社を診る」仕事だと考えています。

原因は、決算書ではなく日々の業務のほうにある

③(なぜそうなったか)を突き詰めていくと、たいてい行き着く先は、決算書ではなく日々の業務です。車両がどれだけ稼働しているか、運搬単価が採算に合っているか、人がどこにどう張り付いているか——数字の裏にある、こうした一つひとつの積み重ねが、③の答えになります。

逆に言えば、③が書けたときには、もう改善の入り口に立っています。原因が分かれば、④(どう直すか)は、その先に自然と続いていきます。

まとめ──今日できる一歩

今日できることは一つだけです。直近3期の決算書を並べて、どうすれば利益が出て、この状況を好転させられるのかを、3つ、4つ考えてみてください。それが、④(どう直し、いつ直るか)の芯になります。

数字を整理して終わりにせず、その先の立て直しの道筋まで描くこと。経営診断書で弊社が大切にしているのは、そこです。

本記事は2026年8月時点で確認できた各自治体の公表資料に基づく一般的な整理です。書式・条件は自治体により異なり、実際の判断は所管の行政庁の窓口でご確認ください。

「なぜこうなったのか、うまく言葉にできない」——そこが掴めないときは、産業廃棄物許可 経営診断のページで、経営診断書の作成のご依頼を承っています。

この記事を書いた人

阿部 真也代表取締役/中小企業診断士

全国の中小企業の経営改善・事業再生を支援。実行段階では、経営者の自発的な力を引き出す独自の「自発型伴走支援」に力を入れている。

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