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産廃収集運搬 2026年10月15日

埼玉県の産廃許可、令和8年10月の手引改正で変わったこと・変わらないこと——財務診断書と申請手続き

許可の更新を控えた時期に県の手引が新しい版に差し替わると、まず気になるのは「自社にかかわるところは変わったのか」ではないでしょうか。埼玉県の「産業廃棄物収集運搬業(積替え保管を除く。)新規・変更・更新許可申請 手引・様式・記入例」が、令和8年10月版になりました(掲載ページの掲載日は2026年10月1日)。お知らせ欄の10月の項目は「許可申請書の(手引き・様式・記入例)の修正をしました」という一文で、どこが変わったのかは、本文を開かないと分かりません。今日は10月版を一つ前の7月版と読み比べ、前半で財務診断書(経理的基礎)にかかわる変更と変わらない点を、後半でそのほかの変更を整理します。

変わったのは、財務診断書を作成できる資格の範囲

手引の「(4)財政能力」の項で改められたのは、財務診断書の作成者です。7月版で「中小企業診断士又は公認会計士」とされていたところが、10月版では「中小企業診断士、公認会計士又は税理士」になり、すぐ下に「※令和8年10月から財務診断書の作成者に税理士を追加しました。」と注記が添えられました。

手引に収められている財務診断書の書式も、表題の括弧書きと「カ 作成者」の欄が、同じく三つの資格を並べる形に直されています。資格を持つ人が作成し、有資格者の登録書等の写しを添付する、という点はこれまでと同じです。

提出が要るかどうかの判定は、これまでと同じ順番で進む

一方で、財務診断書の提出が要るかどうかを決めるチェックフローの文言は、7月版のままです。対象は法人で、個人事業者は提出不要とされている点も変わっていません。法人は、直近の決算書をもとに次の順で見ていきます。

つまり財務診断書が要るのは、①②③のすべてに当てはまったときです。なお、決算書類が3年に満たない場合は「現有分の経常利益で確認してください」とされています。どの段も、黒字か赤字か、債務超過かどうかで分かれる形で、赤字の大きさで分かれる基準は書かれていません。

財務実績・計画書(作成者の限定なし)の様式と、財務診断書の書式の記入項目は、どちらも7月版のままです。

今回改められたのは、積替え保管を除く収集運搬業の手引

改正の範囲にも注意が要ります。埼玉県は、積替え保管を除く収集運搬業と、積替え保管を含む収集運搬業・処分業とで、別々の手引を出しています。ここまで見てきたのは、前者のうち産業廃棄物の手引です。同じ掲載ページにある「特別管理産業廃棄物収集運搬業(積替え保管を除く。)」の手引も令和8年10月版で、財務診断書の作成者の記載と注記は、上で見たものと同じです。

後者の「産業廃棄物収集運搬業(積替え保管を含む)、産業廃棄物処分業(中間処分、最終処分)許可申請等の手引」は、特別管理産業廃棄物の積替え保管を含む収集運搬業・処分業も同じ1冊で扱っており、追加の書類が要るかどうかは、この手引の中にある判定表で示されています。2026年10月15日に確認した時点では令和8年7月版のままで、財務診断書の作成者は「中小企業診断士又は公認会計士」と書かれていました(同手引 p.33)。

10月版の中に、以前の文言のまま残っている箇所がある

10月版の巻末にある「産業廃棄物収集運搬業(積替え保管を除く)許可申請チェックリスト」では、財務診断書の行が「中小企業診断士又は公認会計士が作成したものが添付されていますか?」と、7月版と同じ文言のままです。本文と書式は改められた一方で、チェックリストは以前の書きぶりのままで、同じ手引の中で記載が食い違っています。特別管理産業廃棄物の10月版も、巻末のチェックリストの同じ行は「中小企業診断士又は公認会計士」で、本文と食い違っています。

財務診断書のほかに直されたのは、申請書類の注と記入例

財務診断書のほかにも、10月版では次の箇所が直されています。7月版からの変更を、原文のまま並べます。

このほか、表紙の版の日付、撮影方法の参照ページ(p.12→p.13)、記入例の住所の伏せ字、記入例の注の言い回しが直されています。いずれも申請書類の作り方にかかわる箇所です。細かい点については、行政書士事務所などにご確認ください。

条件に当てはまりそうなら、改善策の検討を早めに

今回の改正で広がったのは、財務診断書を作成できる資格です。書式が問うのは、債務超過に至った原因や、改善策とその実現可能性です。

直近の決算が財務診断書の要る条件に当てはまる場合や、当てはまりそうな場合は、改善策の検討を早めに進めておきたいところです。原因と改善策は、決算書の数字を書き写すだけでは埋まらず、数字の裏にある日々の業務まで下りて、はじめて言葉になります。その検討は、書類を整えるためだけのものではなく、会社を立て直していく歩みそのものでもあります。

本記事は、2026年10月15日時点で埼玉県のホームページに掲載されている手引(積替え保管を除く収集運搬業は、産業廃棄物収集運搬業(積替え保管を除く。)の許可・届出についてのページから案内されています)に基づく一般的な考え方の紹介であり、個別の許可の審査の結果を保証するものではありません。

弊社の財務診断書は、中小企業診断士が作成します。財務診断書が要るとなったとき、原因と改善策をどう書き起こすか——そこで手が止まるときは、埼玉県の財務診断書の作り方と条件のページで記載事項と二つの書類の役割をご覧いただけるほか、作成のご依頼も承っています。

この記事を書いた人

阿部 真也代表取締役/中小企業診断士

全国の中小企業の経営改善・事業再生を支援。実行段階では、経営者の自発的な力を引き出す独自の「自発型伴走支援」に力を入れている。

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