「社長にしかできない仕事」に、社長の時間は使えていますか。
朝から現場に入り、見積もりを確認し、クレームの電話を受け、銀行に提出する試算表に目を通す。気づけば一日が終わり、肝心の「これから会社をどうするか」を考える時間が残っていない——多くの中小企業の社長が、この状態に陥っています。
でも、そこから抜け出す一歩目は、いきなり「効率化」ではありません。まず、自分の時間を記録してみることです。難しいことは何もありません。むしろ、いちばん気軽にできる第一歩です。
「忙しい」は感覚、まず“事実”にする
「とにかく忙しい」——その感覚は本物です。ただ、感覚のままでは手の打ちようがありません。何にどれだけ時間を使っているかが分からなければ、どこを変えればいいかも決められないからです。
だからこそ、まず記録します。忙しさの中身を、感覚から事実に変える。ここが、時間を取り戻す出発点です。
記録のやり方──難しくしない
完璧な記録は要りません。続かなければ意味がないので、ゆるくで大丈夫です。
- 期間:まずは1週間(難しければ、まず1日でも)
- 単位:30分〜1時間ごとに「何をしていたか」をひと言メモ
- 道具:スマホのメモでも、手帳でも、いつも使っているもので
「9:00-10:00 見積もり確認」「10:00-10:30 電話対応」——この程度で十分です。正確さより、続けて全体像をつかむことが目的です。
記録すると、何が見えるか
一週間分を眺めると、たいてい次のようなことに気づきます。
- 思っていた以上に、“誰でもできる作業”に時間を使っている
- 細切れの中断が多く、まとまって考える時間がほとんどない
- 「社長にしかできない仕事」に使えている時間は、驚くほど少ない
この気づきそのものが、大きな一歩です。「忙しい」の正体が見えれば、次に何を減らせばいいかが、はっきりしてきます。
まずは今日1日から
まずは今日1日、自分の時間を記録してみてください。30分ごとに、何をしていたかをメモするだけです。たった1日でも、「あれ、こんなに使っていたのか」という発見がきっとあります。
次回(後編)では、この記録を「作業」と「判断」に分けて、社長にしかできない時間を取り戻していく方法をお話しします。まずは一歩、記録から始めてみましょう。