決算は、年に一度、税理士さんにお任せしている。毎月の試算表までは、正直、作れていない——。特に規模の小さい会社では、めずらしくないことだと思います。日々の商売で手一杯のなか、毎月きちんと数字を締めるのは、そう簡単ではありません。
今日から数回に分けて、「月次決算」の話をします。経営を数字で管理する——その一番の土台になるものです。第一回の今日は、いちばん最初の一歩。「毎月、会社の数字が出てくる状態」を作る話です。難しく考える必要はありません。
年に一度の決算だけでは、なぜ間に合わないのか
決算書は、一年が終わったあとに出てくる“答え合わせ”です。そこで「去年は苦しかった」と分かっても、打てる手はもう限られています。一年分をまとめて振り返るのは、車でいえば、目的地に着いてから地図を広げるようなもの。走っている最中に見られなければ、道は直せません。
毎月、数字が出ていれば、「今月は少し落ちたな」という段階で気づけます。傷が浅いうちに、手を打てる。これが、月次決算のいちばんの値打ちです。
まずは「毎月、試算表が出てくる」——この状態を作る
月次決算というと難しく聞こえますが、最初の目標はシンプルです。毎月、その月の試算表が出てくる状態を作ること。まずは、ここだけで十分です。中身を細かく見ていくのは、その次の段階でかまいません。
ぜんぶ自分でやろうとしなくていい
「そんな余裕はない」と感じるかもしれません。でも、すべてを自分や自社で抱える必要はないのです。手立ては、いくつもあります。
- 会計事務所に記帳代行を頼む——毎月の記帳と試算表づくりを任せる。まずは一番の近道です。
- クラウド会計を使う——銀行やカードの明細が自動で取り込まれ、日々の入力の手間がぐっと減ります。
- AIの力を借りる——領収書の読み取りや仕訳の自動化など、月次を軽くする道具が、今はそろってきています。
大事なのは、「毎月、数字が出てくる仕組み」を、無理のない形で用意すること。社長自身が手を動かすことではありません。
数字は、年に一度の通知表ではなく、毎月の“相談相手”
毎月の試算表が手元にあると、数字との付き合い方が変わります。年に一度、良し悪しを告げられる通知表ではなく、「今月はどうだった?」と毎月語りかけられる相談相手になる。その積み重ねが、勘だけに頼らない経営への、最初の一歩です。
まとめ──今日できる一歩
まずは、顧問の税理士さんや会計事務所に、「毎月、試算表を出してもらえますか」と相談してみてください。もし今は頼む先がなければ、クラウド会計を一つ調べてみるだけでもいい。「毎月、数字が見える」——その状態を作ると決めることが、経営管理のスタートです。完璧でなくて大丈夫。まずは、始めることから。
次回は、月次決算をやってはいるけれど「遅い」——その落とし穴の話をします。
「毎月の数字を、どう経営に活かせばいいか」——そこから先は、経営改善のご相談でご一緒に考えていけます。