監理団体、監理支援機関、登録支援機関、機構、送出機関——外国人材の受入れには、聞き慣れない組織がいくつも登場します。この記事では、それぞれが何をする組織で、自社とどういう関係にあるのかを整理します。
まず全体像──登場する組織と役割
- 受入企業(育成就労実施者/特定技能所属機関):実際に外国人を雇用する会社。自社のことです
- 監理団体(技能実習)→監理支援機関(育成就労):受入企業を監査・指導する組織。主務大臣の許可制
- 登録支援機関(特定技能):受入企業に代わって外国人を支援する組織。出入国在留管理庁長官の登録制
- 外国人技能実習機構(技能実習)→外国人育成就労機構(育成就労):計画を認定し、指導監督する公的機関
- 送出機関:外国で人材を選抜し、監理支援機関へ取り次ぐ現地の機関
混同されやすいのが、監理団体(育成就労では監理支援機関)と登録支援機関です。名前は似ていますが、根拠となる制度も、役割の性格もまったく違います。
監理団体・監理支援機関──受入企業を「監査する」立場
技能実習制度で監理団体と呼ばれてきた組織が、育成就労制度では監理支援機関という名称になります。同じ性格の組織の呼び名が変わるかたちですが、許可は引き継がれません。監理支援事業を行うには主務大臣の許可が必要で、技能実習制度で監理団体の許可を受けていた団体も、別途、監理支援事業の許可を受けなければ監理支援事業を行うことはできません。いま監理団体に委託している会社にとっては、ここが実務上いちばん影響の大きいところです。
主な役割は、受入企業に対する監査です。3か月に1回以上の頻度で監査を実施し、監査報告書を機構へ提出します(認定の取消事由に該当する行為があったときは直ちに)。独立性・中立性を担保する観点から、監理支援を行う受入企業は原則として2者以上であることが求められ、外部監査人の設置も許可申請の記載事項とされています。
自社との関係:監理型で受け入れる場合、監理支援機関の指導に基づいて育成就労計画を作成します。そして、定期的に監査を受ける立場になります。
登録支援機関(特定技能)──「支援を代行する」立場
特定技能1号で受け入れる場合、受入企業は1号特定技能外国人支援計画を作成し、事前ガイダンス、生活オリエンテーション、日本語学習の機会の提供、相談・苦情への対応、定期的な面談などの支援を行う義務があります。
この支援計画の全部の実施を委託された者が、登録支援機関です。出入国在留管理庁長官の登録を受ける必要があり、登録は5年ごとの更新制です。法人だけでなく個人でも登録できます。
いくつか押さえておきたい点があります。登録支援機関として登録を受けるには支援計画の全部を実施できる必要があり、一部だけを行う登録はできません。また、委託を受けた業務を再委託することもできません(通訳人などの履行補助者の活用は可能です)。
自社との関係:支援業務を自社で行うか、登録支援機関に委託するかを選べます。委託する場合、自社は支援計画の実施義務を果たしたことになります。
監理団体・監理支援機関は自社を「監査する」立場、登録支援機関は自社の支援業務を「代行する」立場。向いている方向が正反対です。
機構──計画を認定し、指導監督する公的機関
技能実習制度の外国人技能実習機構は、育成就労制度では外国人育成就労機構となります。育成就労計画の認定、受入企業の届出の受理、監理支援機関の許可申請の受理、受入企業や監理支援機関への指導監督(実地検査・報告徴収)、外国人からの申告・相談への対応などを担います。
自社との関係:計画認定の申請先であり、実施状況報告の提出先であり、実地検査を受ける相手でもあります。
送出機関──現地で選抜し、取り次ぐ機関
外国で人材を選抜し、監理支援機関へ取り次ぐ現地の機関です。技能実習制度では、本人やその家族から高額な手数料等を徴収する悪質な送出機関の存在が指摘されてきました。育成就労では、本人が支払う費用の上限が設けられ、要件も厳格化されます。二国間取決めに基づき、送出国政府が認定した送出機関が機構のホームページに掲載される仕組みも導入されます。
自社との関係:直接契約する場面は多くありませんが、受入企業と送出機関との間で違約金等を定める契約は禁止されています。契約内容の確認が必要です。
まとめ──今日できる一歩
自社がどの制度で受け入れるかによって、付き合う組織は変わります。技能実習なら監理団体、育成就労ならその後継の監理支援機関、特定技能1号なら登録支援機関。まずはこの対応関係を押さえたうえで、いま委託している監理団体・登録支援機関が、2027年4月以降も許可・登録を維持する見込みかを確認しておくことをおすすめします。
本記事は、出入国在留管理庁・厚生労働省編「育成就労制度 運用要領」および「特定技能外国人受入れに関する運用要領」に基づく一般的な考え方の紹介です。個別の審査の結果を保証するものではありません。
なお、直近期末が債務超過の場合、受入れにあたって第三者による改善の見通しの評価書が必要になることがあります。詳しくは企業評価書のページをご覧ください。